巡り巡って
「────血で飛ぶんだって」
「魔女の血か……あたしそういうの好きよ。
魔女の血 絵描きの血 パン職人の血。
神様か誰かがくれた力なんだよね。
おかげで苦労もするけどさ。」
私は今日この日まで、手にするまで、終えるまで 気づかなかった。自分に流れるこの血に。─────いや、気付かないふりをしていたのだ。
そう、腐女子の血に!!!!!!!!!!!!
さて、誰もが1度は聞いたことがあるであろう、私が大好きな作品のワンシーンから冒頭が始まりましたが、今回は私が初めて商業BLを購入した話です。
「アッ…………無理」となった方はこちらを閉じて 本屋へ駆けて弱虫ペダルの12巻を手に取ってみてください。最高の男2人が山で待っています。
まず……一応ブログということになっていますが、そして語りかけ口調で記述していますが!日記やレポのような感じで書くしこれからもそうです。
自分が信じられないほど記憶力がなく、観た映画でも結末をすっかり忘れてしまうアホなので 一番は自分の記憶のために、といっていいです。(ベ〇マックスとか泣いたのに「あれ……?死んだっけ……?生きてるっけ?そもそもラストどうなった?つーか全部覚えてねえ……題名しかわかんねえよ……」と一番肝心なところ忘れた)
私はオタクだと自覚したのは3年程前で「えっ!?!?!?めちゃくちゃ最近じゃん!?!?!?」と思われるかもしれませんが、中学から3年程前のオタクではない期間でも漫画やアニメが大好きでほぼオタクのようなもんでした。
私の中学時代はD.Gray-man、銀魂、REBORN!が流行り、同じ時を駆けていた人にはわかるラインナップでしょう。ええ、やばいラインナップです。(しいていうなら、このタイミングでテニプリを読めなかったことが残念。いつか必ず読む!!!)
実はこの中学時代に初めてBLに触れました。
商業ではありません…………同人です。
同人なんてものを知らない私はREBORN!にハマっていた友人が貸してくれた漫画をザック(中学のリュックです。通じるかしら…)に入れ、ウキウキと帰りました。
夕食後にそれをザックから取り出し、「さて、読むか……」とページを開いてびっくりした。
「…………なぜにディーノとツナがセックスしてる…………????????」
「えっ…………?ゾロとサンジがなぜ……なぜに…………????????なんで????????」
意味がわからなかった。
それは今となっては記憶も曖昧で、当時知識もゼロだったため記憶の曖昧さに拍車をかけているのだけど、様々な作品のとある男2人がピックアップされ、性行為に及んでいたのは衝撃だった。
友人は次にREBORN!の漫画を貸してくれた。
今となってはわかることだが、貸してくれたものは一般的にR18のアンソロジーと呼べるもので、カップリングはヒバ×ツナだった。
先日の未知の世界の漫画で耐性がついたせいか、そこまで違和感なく読むことが出来た。
いや、むしろ興奮した。
しかし、このたった2回しか私がBLに触れる機会はなかった。わざわざ自分で購入しようと思うほどではなかった。ここで一旦私のディープな世界への扉は閉ざされた。
あれよあれよと時間は過ぎて、気づいたら私はアニメイトの弱虫ペダルのコーナーの前に立っていた。
「ゔ……ここにいる人たちみんなやべえ……」と、初めて訪れた時こそ感じたものの、いつの間にやらアニメイトへ行くのが普通になり、グッズも買うようになった。たぶんこの頃だ。Twitterでアニメアカウントを作ったのは。
アニメアカウントを作る、というのはこの界隈……そう、同人界隈について触れることと同義に近い。
もちろん公式Twitterやグッズ等の情報アカウントをフォローすることが目的ではあるが、それだけでなく、自分の好きな作品を描いている人もフォローするのが普通だろう。
かくゆう私もよくわからなかったけど「この絵とても素敵だ!」と思った人をフォローした。と同時に、同人についても知った。
最初は「なんで〇〇と〇〇を恋人関係にするのだろう?セックスをさせるのだろう?」と不思議でならなかったし、不快だった。だから見ないようにした。
しかし、いろいろ見ていくうちに慣れていって、だんだんと見れるようになっていった。見れない作品はあっても「同人」という活動自体については何も不思議に思うところはなくなった。
最初は「左右固定」も「雑食」も攻め受けを名字の上一文字ずつをとって表記するのも言葉の意味自体がわからなかったけど、Twitterを見ているだけでわかるようになった。同人を好む、好まないは置いといて、アニメ関連でTwitterをやっていたら必然的に視界に入ってくるし、知識として頭に入ってしまう。もちろん、情報の取捨選択はおのおのの線引きに基づいてみんな行っているだろうけど。
もちろん今も見れない同人はたくさんある。私の場合は特に思い入れのある作品は見れない場合が多い。でも、性行為さえなければ見れたりもする。逆に、完全に性行為に及んでいる作品でも好きなCPは好んで見る。見れる見れないの線引きは複雑に入り組んでいて、自分でも実際に見てからでないと「イケる」「イケない」がわからないもんだから困っている。
ただ、少しだけ分かることは基本的に左右固定だということ。右……そう、受けの子に対しては左(攻め)の子しか受け入れられないし、逆も然り。文章にしてみると、「ガッチガッチの地雷持ちじゃねーーーか!!!!!!」と思う。でも、逆カプでも読めたりするものはあるし、よくは自分でもわかっていない。そこに尽きる。
「基本的に左右固定」
これは同人界隈を毎日目にしているとなかなかに厳しい。
自分の好きなCPでフォローしている人も、他のジャンルの私の苦手なCPの話をすることがある。もしくは苦手なジャンル自体を。
Twitterなのだからみんな好きなように言うし、それはもちろん当たり前のことで。私は苦手なCPやジャンルの話だろうとそれをフォローしている人がするのを見るのは好きだ。これはちょっとおかしな話かもしれない。
確かに、苦手なものがTLに現れると「ヴッ……」とはなるけど、その人が作品やCPに熱量を持って話している姿勢が好き。「このツイートをみれなくてごめんなさい……」とは思うけど、決してその人が苦手なわけではない。私はジャガイモが苦手だけれど(基本的にパサパサした食べ物は好まない)、ジャガイモを好きな人だっている。ただそれだけのことだ。
作品もツイートも人の熱量を感じれるものが好きなだけだ。
話を戻そう。
同人界隈で「左右固定」が厳しくても、公式からお墨付きで完全なる「左右固定」が与えられるものがある。
そう、商業BLだ。
前々から尋常ではない興味は持っていた。
絶対好きな自信はあった。中学からの時を経て、いらない成長をしてきた私は確実に読める。様々な性癖という名のオプションまで携えて。
しかし、一つだけネックがある。これはみな抱えている悩みではないだろうか。
「エロ本どこに隠すか問題」!!!!!!!!!!
私はこれがこと深刻で、好きな作品のグッズを隠してもなぜか親にその場所がバレてしまう。ベッドの下やクローゼットの中という、いかにもな場所に隠してる私も悪いが、別に住んでいる親が私のアパートに来て真っ先にグッズの在り処に来るのはおかしい。超能力者か。
そんなわけで、商業BLなんぞ買おうものなら一発で親にバレてしまうのが怖くて私は買えずにいた。
何より、買ってしまったら今まであやふやだった「腐女子」なるものに完全に昇格してしまうという思いが強かった。
それでも「読んでみたい……」という欲求は止まらず、商業BLを物色し始める。
アニメイトやイベント、中古店へ赴けば必ずグッズを購入してしまう私が言うのはおかしいことだが、家にはあまり物を置きたくない。はい、矛盾してます。自覚してる……自覚してるから……。
物を置きたくない、というのもあるけど、身の回りにあるものは全部お気に入りであって欲しい(……足の踏み場もない部屋で書いています)。
申し訳ないという気持ちがあって、あまり「売る」という行為をしたくないから、特に漫画を買う時は厳選に厳選を重ねている。それも今まで手を出してこなかった理由の一つだ。
でも読みてーーーーーーーんだよ!!!!!!
ちゅーことで、いろいろ試し読みとかして悩んでこれを買おうと決めた。
ここまで来るのが長かった!!!!!!
ちょっとしたレポートだよ!!!!!!!!!
読んでくれている人いたら付き合ってくれてありがとう!!!!!!ここからが本番だから!!!!!!(?)
私が購入したのは
『恋するインテリジェンス』
界隈にいる方だったらご存知の人も多いだろう。
私が選ぶ基準に無意識のうちに入れていたのは「人気」、「絵が綺麗」、「左右固定」、そして「エロさ」。
それをクリアした結果こちらになったのかと。
感想なんだが………………
ンンンまァ~~~~~~~~~~最高!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
読んでくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
これは万人におすすめできる!!!!!!
まず、これは設定がずるい!!!!!!
外務省の情報局のメンバーがメインとなる話で、諸外国の情報収集のために色任務が課せられることもある。そのために彼らはTC(男役を行う分析官)とBC(女役を行う分析官)で、バディを組んで色任務のための訓練を行う。ちなみに色任務は女性は危険であるため、この任務、訓練があり、バディを組むのは男性だけである。なんというおいしい設定。
メインとなるのはTCの針生篤(はりゅうあつし)とBCの戸堂眞御(とどうまお)。
読んでほしいのでできるだけ書かないようにするけど、ンまぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー眞御ちゃんが可愛い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
スパダリ属性で体格ガッチリめで束縛、独占欲が強くて、でろっでろに受けを甘やかす攻めも最高!!!!!!!!!!!!!!!!!!
最近のアニメは「お前も受け!!!お前も受け!!!お前も!!!受けだああああ!!!!!!」っていう感じだったけど、恋するインテリジェンスは「もうどう足掻いても攻め……参りました……」っていう、パッと見で「こいつぁ攻め!!!オレははっきりわかっちまうんだね!」ってなるので安心して受けを任せられる。
あと、さっきも書いたけど、針生に限らず、どの攻めもスパダリ、独占欲等といった項目にあてはまるし、受けも素直じゃないけど、体は敏感で感じやすい儚げ美人っていうのにどの子も当てはまってて、一発で受け攻めわかる。これめちゃくちゃ大事だよね!!!!!!
そして(スパダリ+独占欲強め)×(素直じゃないけど感じやすい+儚げ美人)っていう方程式がどのCPも成り立ってるので全てのCP推せる!!!!!!
そして、両片想い!!!!!!!!!!!!これ私にはめちゃくちゃ大事だから!!!!!!!!!!!!!!!!!!
基本的に三角関係は受け付けないし、左右固定の素質もあるため、「攻めと受けの関係は確固たるもので、その関係に第三者が介入してはならない」じゃないと読めない!!!!!!これはBL関係なく、他の漫画でもそう。少女漫画は三角関係ばかりで私はあまり読めない……その点、ヒロインが芯があって他の男にフラフラいかない花とゆめは絶大な信頼を寄せています!!!
この本の世界観で好きなのは、男性同士の恋愛を劣っていると、恥ずかしいと思っている描写がないこと。確かに少しはあるけど、そんなのは攻めが打破してくれるのでなんの問題もありません。オッケーオッケー!!!!!!
私の世界で男性が女性に恋をするように、彼らは当然のようにお互いのバディに恋をするし、性別なんてないかのように相手に恋をしてセックスをする。お互いがお互いを全て肯定して、性別の不安なく愛せるというのは物語だとしてもなかなかないように思う。どうしても「自分(受け)は男だけど良いのだろうか」という葛藤を入れがちになるはずだ。性別の葛藤がない話は余計なことに頭がいかないでスッと入ってくる。もちろん葛藤がある方が好きな人はいるだろうけど、私は性別が問題になってしまい、異性よりも相手に恋をすることに引け目を感じて欲しくないというだけだ。
ところで、「エロい」というのはとても重要だと思う。
そんなのお前が興奮するからだろう!!!!!!と言われたらそれだけなのだが(実際それだけだ)、どのくらいエロいのが伝わるかは、=どれだけ受けが魅力的に見えるか、だと思う。
エロいシーンは必然的に受けが魅力的に見える。受けの感じている描写は、つまり攻めが実際に見ている光景で、「こんなに受けが感じて可愛いのだから、攻めが激しくなるのも執着するのもわかる」という思考に落ち着く。我々が、感じている受けを見て「愛しい、可愛い」と思う気持ちと同等、いや、それ以上に攻めも同じシーンで「愛しい、可愛い」と思っている……はず…………。
突然だが、みんなは心の中にモブおじさんはいるだろうか。
「モブおじさん……?なにそれ……?は?心の中????」
わかる。そうなりますわ。私もそうだったもの。恋するインテリジェンスを読むまでは。
攻め「ほら、『もっと激しく舐めて』って言って?」
受け「ゔ……もっと激しく舐めて……」
???「行ったれーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ワイ「!?!?!?!?!?!?!?!?」
え!?!?こいつ誰!?!?!?!?!?!?
ってなった正体は、私の心に住むモブおじさんでした。モブおじさん初登場の時はまじで自分に自分でびっくりした。「ここからいいところだぜ!!!」って時に阪神ファンの柵の外にいるオヤジばりにでしゃばってきて、我ながら「うるせーーーーーーーー!!!!!!!!!黙ってろ!!!!!!!!!今いい所だろ!!!!!!!!!」となりました。
モブおじさんは私の心にいたし、間違いなく全てのオタクの心に住み着いています。まだ心のモブおじさんに出会ったことない人もそのうち出会うでしょう。自分なのにまじで「うるせーーーーーーーー!!!!!!!!!」って思うから。楽しみにしててください。
(ここら辺で、「おっ?こいつ頭イカレてんじゃねーか!?!?」と思った人が出てきたことでしょう!!!正解!!!!!!もとからだよ!!!!!!余計なお世話だ!!!!!!!!!)
モブおじさん登場で私は確信した。
なるべくしてなったのだと。
種は既に中学の時にまかれていたのだと。
種……というのは正確ではないかもしれない。素質がもともと備わっていたのだろう。冒頭に書いたけれど、これは血だと思う。もう全身を回って、血という血が濃くなって侵食される。最初にまかれた種がゆっくりと血液となって、溶けて、混ざって今やっと全身を巡ったようだ。
水はけが良い土地では種はぐんぐん育つという。
オタクという素質を持った私の血は良い苗床となり、びっくりするほどの速度で幹は伸びるし、それと同じスピードで私は商業BLに落ちるだろう。
みなさんの商業のおすすめ待ってまぁーーーーーす!!!
書きたいことがまとまらず、ぐちゃぐちゃで、書かなきゃいけないことを書いていない気がする。
(最後がめちゃくちゃ厨二ぽくなってしまい、「やっちまったなァ~~~」感が半端ない)(左手が疼くポーズをとるオタク)